取引する通貨に失敗しなければ、トレンドがある場合は多くの値幅が取れますし、トレンドが崩れる場合は最小のリスクで取引ができます。こう言ってみると、強弱を見るだけで優位性があり、強弱に従うだけで勝てると思いもしてしまいそうですが、実際はそうではなく、強弱が優位性を発揮するタイミングというものがあるようです。というのは、様々な情報(雑誌やネットの情報、実際の見聞き等)を見て+一部のバックテストでTwoerも確認していることから判断しています。
今回から何度かにわたってTwoerが行ったバックテストの結果を踏まえて優位性の検証、検討をしていけたらなと思います。
そして今回は強弱を使った前日高値、安値のブレークに優位性があるかを紹介します。
強弱を使った前日高値、安値のブレークトレード
どういった仮説でこのトレードに優位性があると思ったか
仮説
- メジャー通貨の強弱を見れば、為替通貨の大きな資金の動きについて把握しやすいだろう
- 前日の高値、安値についてはほとんど全てと言っても過言ではないほどの人が見ているため意識されやすいボーダーラインであるだろう
まず、Twoerが実施する優位性の確認はなるべくシンプルなものにしています。こちらは、シンプルでないと一貫性を保つのが難しいと共に、検証が困難になってくるためです。大体3つより多くなってくると危険だと個人的に思っているので、3つより多くの指標を利用する際には、その指標それぞれについて単体で優位性を確認できるものに限定します。
トレードのルールは下記でバックテストを実施しています。
前提
- 1時間足を利用し、終値のみを利用
- 一日の基準はNY市場の終わりの時間を開始とする(夏:日本時間6時開始, 冬:7時)
- 強弱の取得にはKu-chart-Maker2-Dayを利用
トレード開始のルール
- 前日の高値を終値で上回っているor前日の安値を終値で下回っている
and - 通貨強弱で最強のものを買い最弱を売る。
手仕舞いのルール
- 前日の中央値(=[前日高値+前日安値]/2)
前日の中央値まで戻ってしまった場合はニュートラルに戻ってしまいどちらに行くかわからなくなっていると仮定して手仕舞いとしています。
バックテストの結果
※ スプレットは一律sp10で実施しています。※ 期間 2000/01/03 02:00 - 2014/12/11 23:59
より詳細に確認したい方向けに画像とmt4のリポートをzipでまとめて置きます。
StrengthAndBreakOut_mt6_sp10-reports.zip:
https://drive.google.com/open?id=0B0xWrUjaNTp-RTc0dHQxeFNjbjA
検証・検討
実施する前の予測としては強弱に強い優位性があると考えていたため、大半の通貨ペアでプラスになると思っていましたが実際は違いました。右肩上がりの通貨ペア: 2ペア(EURJPY, EURCHF)
右肩下がりの通貨ペア: 8ペア
(USDCHF, NZDCAD, GBPJPY, GBPCHF, GBPCAD, AUDUSD, AUDNZD, AUDCAD)
右肩上がりのものが2ペアしかなく、スプレッドが低いにも関わらず安定してプラスにできるものが無く、買っている通貨ペアでもプロフィットファクタが低いことから、このストラテジでは強弱の優位性は発揮できないことがわかりました。
優位性が確認できなかったため実用できるレベルのEAには全然仕上がっていませんが、もし自分でも試したいという方がいれば、メッセージをTwitter(@tower_alt)ででも頂ければ差し上げます。ただし、本番では絶対に利用しないで下さい。
次回について
今回の結果を踏まえると、むしろ逆張りに優位性があるのでは?と考えられるので次回は強弱を使った最弱通貨同士逆張りトレードの検証結果をご紹介します。もっと、マシなトレードルールあるんじゃないか、検証方法をもっとよくできると言ったご意見があればお待ちしておりますのでお気軽にご連絡下さい。
その他
そもそも、強弱無しでの1時間足前日高値・安値のブレークに優位性ってあるの?って思う方がいれば別途そちらも記事にして紹介したいと思います。結論だけを一旦言ってしまうと、通貨ペアによってまちまちで一部の通貨だとこのブレークトレードでもプラスになっているものもあるのですが、一部だけなので普遍的な優位性とはなかなか思えてません。